2010年12月01日
■ チャット移転

 これまでずいぶん長いこと使い続けていたレンタルチャット「奈落。」が、なんとこの11月末でサービス停止となってしまいました。
 ブラウザ上でリアルタイムチャットができるという、とても便利なもので、発見した当初は画期的と思ったものですが……こうしたネット事業そのものが、今や淘汰の時代に入ってしまってるのですね。楽しいことも、辛いことも、はらわたが煮えくりかえるようなことも、思わず涙してしまうようなことも、みんなここで話してきましたので、寂しいやら切ないやらでちょっと大変です。
 俺の人生のうち、この10年というものが、いかにネットに依るところが大きかったかというのが浮き彫りになるなあ。別にそれが悪いというわけではありませんが。

 ほんとに長いことお世話になりました。あんまり広告クリックもしなくてごめんなさい。さようなら! 電子の海の中で安らかに眠れ、SDCチャット「奈落。」よ!


 さて……ひとしきりしんみりしたところで、あらたにレンタルチャットを用意しました。以前のものと同じく、リアルタイムに発言が更新されるタイプですので、基本的にこれまで通りの感覚で使えると思います。
 注意点としては、IE7以前のブラウザだと動作がおかしくなってしまうようです。IE8や、firefoxなどでアクセスしてください。
 んで、チャットルーム名を何にしようか、チャット常連メンバーのみなさんに聞いてみたところ、

闇鴉慎:新しいチャットルームの名前、何がいい?
くにさき:深淵。 (←即答)
闇鴉慎:それだ。 (←即決)

 というわけで! これまでに優るとも劣らぬ厨ネームのチャットルームができました。

「深淵。へようこそ。これがSDCチャットだ!」
http://chat.kanichat.com/chat?roomid=darkcrow

 新顔さんのご参加もお待ちしておりますよ~! これを機会にあなたもSDCチャットに参加してみませんか? 大丈夫、話はいつもグダグダですよ!!(ウリかそれ?)

2010年10月03日
■ [DS]世界樹の迷宮

タイトル:世界樹の迷宮
メーカー:アトラス
ジャンル:3DダンジョンRPG
発売日:2007年1月18日
ハード:DS
一周クリアまでのプレイ時間:プレイ時間が記録されないため計測不能。おおよそ50時間程度だったと思われる

 ゲーム感想第18弾。アトラス(買収されちまいましたが……)のウィザードリィライクRPG、「世界樹の迷宮」です。変換するたびに「世界中の迷宮」になってしまいます。


《ゲーム概要》
 冒頭でも述べた通り、このゲームはウィザードリィ型のダンジョン探索RPGの体裁をとっています。
 拠点となる街でパーティを組み、装備やアイテムを整え、ダンジョンに潜る。ダンジョン内では一貫して主観視点で、一歩ずつ行動範囲を広げながら、ダンジョンの最奥を目指す。
 難易度は現代RPGの水準から見れば高めですが、プレイした感覚では最初が一番キツく、中盤あたりでほどよい歯ごたえになってきて、終盤ではむしろヌルめのバランスになっているようです。


《マップ作成》
 このゲームの最大の特徴は、「タッチペンを使ってダンジョンマップを自作する」という機能があるところです。DSの下画面はマップ専用になっていて、プレイヤーはそこに「壁」「床」「マップアイコン」などを自由に書き込んでいくことができます。
 ゲーム側から自動的に記入されるものは、PCの現在地を示すアイコンと、ごく一部のマップアイコン(5階につき2カ所ずつくらい登場します)のみ。あとは何をどう書くのもプレイヤーの自由。マップアイコンは一応「宝箱」「ワープゾーン」などの意味が設定されていますが、別にそのとおり使わなければいけないわけでもありません。その気になればドット絵描いて遊ぶこともできます。(遊ぶな。)

 要するに、「デジタル方眼紙とペンをあげるから、あとはてきとーにどうぞ」なのです。

 闇鴉が考察するに、「世界樹の迷宮」は、このマップ作成をコンセプトとして構築されたゲームではないかと思うのです。

 このゲームの目的は、「ダンジョンの踏破」です。その奥にいるボスを倒すことでも、何かの宝を取ってくることでもなく、ダンジョンそのものが目的として設定されています。そして、「ダンジョン踏破の進行度」を示す象徴として、「ダンジョンマップ」が存在しています。
 未記入のマップが象徴するとおり、ダンジョンの未踏部分は、いわば全くの「暗闇」です。そこに「踏み込み」、地図として記録することで暗闇を「切り取る」。この流れこそがこのゲームのコンセプトであり、特徴であり、最も楽しいところなのです。
 明るい言い方をすれば「探検」のゲーム、暗い言い方をすれば「侵略」のゲームであるわけです。

 未踏部分すなわち暗闇は「危険」でなければなりません(暗闇でも、安全だと分かり切っていれば、わざわざ踏み込んで解明する意味がありませんから)。特に序盤における高い難易度、全編通して登場するFOE(ダンジョン内を徘徊する強力な敵。マップ上に見えていて、追いかけてきたりする)などは、そのために必要だったから用意されたもの。
 危険に挑むには手段が必要です。RPGらしいキャラクター作成と成長は、その手段として用意されたもの。
 危険を乗り越えた先には報酬が必要です。ダンジョン内から持ち帰ったアイテムで新しい武器防具が手に入るというシステムは、その報酬として用意されたもの。

 「探検」をベースにして見てみると、全てのゲームシステムが一つに繋がっていることが解ります。
 つまり、ウィザードリィライクRPGという体裁は、「探検」というコンセプトを実現するための手段に過ぎないわけです。

 この独特のコンセプトは、「全滅したら前回セーブしたところからやり直しだが、ダンジョンマップだけは残せる」という、一見へんてこな救済措置からも見て取れます。
 要するに、集めたアイテムや溜めた経験値はしょせん手段に過ぎないわけで、失われても問題はない。ただ、「ダンジョンを踏破する」という大目的への進行度だけは、失われることなく残せるよ、という意味なのでしょう。


《キャラクターの作成と成長》
 このゲームのキャラクター作成は、はじめに「職業」を選び、その後はレベルアップごとに手に入るポイントを消費して「スキル」を取得していく形式になっています。
 俺が今までにやったゲームの中では、「ラグナロクオンライン」にかなり近い形式です。もっと言えば、F.E.A.R.のTRPG全般(「トーキョーN◎VA」や「ブレイド・オブ・アルカナ」などなど)に近い形式なのですが、まあこれは言っても通じないか。

 職業は最初に決めたら固定で、転職などはなし。能力値も職業毎に固定です。
 作成後の成長においては「スキル」の選択のみが自由度となるわけですが、スキル選択の幅はかなり広く、最高レベルまで育てたとしても全スキルの半分も取ることができません。その代わり、一つ一つのスキルはかなり強力な効果を持っていて、他のスキルや、他の職業との組み合わせによってさらに高い効果を発揮するよう考えて作られています。
 プレイヤーはパーティ全体のバランスや、戦略を見据えて、各キャラクターの取得スキルを選んでいくことになります。

 スキルの選択によるパーティ構築はなかなかに楽しく、「次はどのスキルを取ろうか?」というのでかなり悩まされます。また、先述の通りスキル一つ一つの効果が大きいので、顕著に結果が見えてくるのも嬉しいところです。

 キャラの成長はわりとあっさり頭打ちになるようなので(最大レベルは70ですが、俺は普通にクリアした段階でみんなレベル65まで行ってました)、クリア後は色々コンセプトを持ったキャラを作っていく方針で楽しめそうにも思えます。俺はやらないけどね! 時間がいくらあっても足りないし。


《総評》
 「探検」に焦点をあて、コンセプトに忠実に全ての要素を配置しきった良作RPGです。その難易度の高さやストーリーの希薄さ、絵柄の嗜好などで好みが別れるところだとは思いますが、システム的にはキッチリ最後まで楽しめるだけの完成度があります。
 探検ずき、RPG好き、地図書くの好き、キャラ育成好き、かわいい絵柄好き、育成にかけた数時間が失われても耐えられる人、などにはオススメできますよ。



《追記》
 なんだか、追記が「感想本文に書くわけにはいかなかった個人的感情をぶちまけようのコーナー」になっている気がする。
 というわけでぶちまけます! 面白かったのは面白かったんですが、どうしても好きになれなかった部分があるのです。

 それは、ゲーム全編を通して使われている、このフレーズ。
「君たちは~~してもよいし、しなくてもよい。」

 ドラクエなら、「~~しますか? はい/いいえ」となるところに、全てこのフレーズが使われています。というか、一般的なRPGなら、だいたいドラクエを似たようなもんですよね。特別こだわるようなところでもないし。
 わざわざこんな独特の言い回しを使っているからには、そこに込められた意図があるわけです。

 普通に考えて、その意図とは「多様性の許容」です。
 時代ってことなのでしょうが、「多様性の許容」というところに見いだされる価値が、どうやら現代においては主となっているようです。(「カラーバリエーション」とかが人気を集めるゆえんですね)
 ゲームにおいても、プレイヤーの選択の自由という形で、それは表現されます。つまり、このフレーズ通り、開発者(というか、ゲームを支配し運営する理想上の人格。TRPGにおけるゲームマスターだが、この場合はソフトそのものというほうが近いだろうか?)は、プレイヤーに対してこう言っているわけです。

「こっちから選択肢を用意しましたよ。さあ、好きな方を選んでください。どっちを選ぶのもあなたの自由なんですよ」

 うっさいわぼけ。

 別に俺自身も、多様性の許容が嫌なわけじゃなく、むしろ好きです。ですが、それをこう強調されると、押しつけがましいなあと思ってしまうのです。

 このいらつきは、本文中にも出たF.E.A.R.のTPRGで、「ROC」の表記を見たときににたいらつきに似ています。ROCとは「ロール・オア・チョイス」の略。キャラクターの出身なんかを決めたり、初期職業や、初期所持品を決める表があるわけなのですが、そうした表にことごとく「ROC」の表記がくっついているのです。
 その意味するところは、「君はサイコロを振って決めてもよいし、自由に一つを選んでもよい」
 ンなこと言われんでも、こっちで勝手にやるわい。という気持ちになったものでした。

 というわけで、まとめ。ゲームにおける自由度や多様性というものは、重要な要素であり、必要とも言える。
 ただし、それらはあからさまであってはならない。プレイヤーが気づきもしないうちに、いつのまにか多様になってしまっているのが望ましい。

 まあ、それでゲームの面白さを全て否定してしまうほどのものでもないんですけどね。

2010年09月04日
■ [DS]ゴーストトリック

タイトル:ゴーストトリック
メーカー:カプコン
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2010年6月19日
ハード:DS
一周クリアまでのプレイ時間:プレイ時間が記録されないため計測不能。おおよそ10時間程度だったと思われる

 ゲーム感想第17弾。「逆転裁判」のスタッフがおくるカプコンのアドベンチャー、「ゴーストトリック」です。


《ゲームとストーリーの概要》
 暗い夜のゴミ捨て場。追いつめられた美女と、それを狙う殺し屋。主人公は美女を助けたいと思うのだが、それは不可能なことだった。なぜなら、主人公は美女より先に死んじゃってたからである……!
 というわけでイキナリ幽霊になってしまった主人公。ヒロインが殺されるのを、指をくわえて見ていることしかできません。が、そのとき現れた謎の人物によって、主人公は不思議な《死者のチカラ》の使い方を教わります。

トリツク……近くにある物に取り憑く。
アヤツル……取り憑いたものを作動させる。
サカノボル……死体に取り憑くことで、その死の4分前に時間を巻き戻す。

 三つのチカラを駆使して、本来なら死ぬはずだったヒロインを助けることに成功した主人公。
 ところがここに、もう一つ重要な問題がありました。主人公は生前の記憶を全て失っていたのです。一体自分は誰なのか? なんでイキナリ死んでしまわなければならなかったのか? その謎を解く鍵は……今夜起きた殺人事件、その被害者となったヒロインしかいない!
 かくして、幽霊となった主人公の奇妙な自分探しが始まるのでした。
 というストーリー。

 基本的には、ステージクリア型のコマンド総当たり式アドベンチャーゲームです。Flashなどでおなじみの「脱出ゲーム」に似た感覚と思っていただければ間違いありません。

 主人公が新しいステージに到着すると、だいたい誰か死んでます。主人公はその死体に取り憑き、時間をさかのぼって、死の運命を変えることになるわけです。その手段は、ステージに配置されたさまざまなオブジェクトを「アヤツル」こと。
 捨てられたギターを突如かき鳴らして殺し屋の気をそらしてみたり、隠れて狙撃しようとするスナイパーをライトで照らして目立たせてやったり、あるいはもっと直接的に、頭上から鉄球を落としてみたり。そういう細かな(鉄球はトドメの一撃って感じですが)動作を積み重ねて、最終的に犠牲者の死を回避すればステージクリアです。

 ただし、いかに死者のチカラといえども、無制限になんでも操れるわけではありません。「トリツク」の効果範囲は半径1mほどしかありませんので、遠くに移動したいときは次々と別の物に取り憑いていくか、取り憑いたオブジェクトを「アヤツル」で移動させるか、とにかく何か工夫が必要です。「アヤツル」のパワーもあまり強くはなく、重たいものを持ちあげることはできません。そこらあたりの制限をどう工夫して乗り切るか、がこのゲームのキモになるところです。


《ストーリーとキャラクターについて》
 キャラクターは実に荒唐無稽。
 ヒロインは会うたび死んでるわ、モノは知らんわ、言動が支離滅裂だわ、だんだんずうずうしくなっていくわ、ふとももがエロいわ、事件の捜査そっちのけでめちゃくちゃウマそうに肉食うわでもうえらいこっちゃです。(←この時点でだいぶ萌えている)
 マスコット的な小動物はだいぶ頭がヘンだし(まあかわいいけど)、ヒロインの上司にあたる刑事さんは古畑任三郎とエルヴィス・プレスリーを足して二乗したような感じだし、その他諸々、奇人変人のオンパレードです。

 ところが、キャラクターたちのエキセントリックさに比べて、ストーリーは常にシリアスムード。主人公は、生前の自分が何か大きな陰謀に関わっていたらしいことを突き止め、自分の正体を探るため、その陰謀に首を突っ込んでいくのですが……その過程で次から次へと現れる謎、謎、謎。一度つかんだと思った手掛かりが、あとで根底からひっくり返されることもしばしば。結局、最終章にいたるまで謎の連鎖は続き、最初はバラバラに見えたいくつかの事件が、複雑に絡まりあいながら終盤で一本にまとまっていきます。

 このあたりの謎の見せ方は実にサスペンスって感じで、うまくまとまっていると思います。サスペンスもの、推理ものが好きな人には良いのではないかと思います。

 ただ、欠点は、その謎解きが終盤での長い「語り」にほとんど任されてしまっている点。推理と調査によって真相にたどりつくのではなく、ちょっと手掛かりをつかんだ主人公に対して、数名の真相を知っている人間が「そうか……そこまでたどりついていたのか……」てな感じで、残りの情報をべらべら喋りまくる、という展開になってしまいます。
 まあ、推理モノのベースは謎の連鎖であって、謎解きの部分は大した問題ではない、ということなのかもしれませんが。


《ゲーム部分について》
 先述の通り、基本的にはステージクリア型の総当たり式アドベンチャー、特に脱出ゲームに近い感じです。
 主人公は色々なオブジェクトに取り憑き、それを作動させることで、犠牲者の死を回避したり、必要な情報をつかんだりしていきます。
 普通のアドベンチャーと違うのは、多少のアクション性を含んでいるところ。たとえば、ボールが戸棚のそばにあったとします。そこで戸棚を「アヤツル」と、開いた戸にぶつかって、ボールが飛んでいってしまいます。このとき、すかさずボールに「トリツク」と、主人公はボールと一緒に長距離移動することができるわけです。

 このように、複数のオブジェクトの動作を連係させて、思いもよらぬ効果を生むのが、このゲームの面白いところ。主人公の口癖に「これでどうだッ!!(SE:ズビシィィッ!!)」というのがあるのですが、決定的な手を打てたときはまさにそんな気分です。

 しかし残念だったのは、自由度の少なさ。
 というか、オブジェクトはステージごとに全然ちがうもので、同じオブジェクトでもステージによって違う動作をしちゃったりしますので、結局、うまく動くものを探して総当たりで「アヤツル」を繰り返すばかりになってしまいます。要するに、これまでのステージでつかんだ動かし方が、他に応用できたりはしないわけです。
 利用方法が判明しているオブジェクトが、ステージごとに異なる配置になっていて、その組み合わせ方を模索する、というようなゲーム構成になっていれば、もっとパズル的な要素が強まって面白かっただろうと思うのですが。
 単なる総当たりの脱出ゲームの域を出ないな、と感じた理由はそのあたりにあります。

 あと、ちょっとヒントを出し過ぎだったかな? と思うところもあります。
 詰まってクリアできなくなっちゃう人のための措置なのでしょうが、ステージ中のキャラクターたちの会話を聞いていると、ヒントというか、そのものズバリの解答を言っちゃってるような内容も多くて、「おいこらネタバレすんじゃねーよ犬ゥー!!」とか思ってしまいます。


《総評》
 古式ゆかしいコマンド総当たり式アドベンチャーに、多少のアクション性を持たせ、そこそこきれいにまとまったサスペンス・ストーリーと融合させた、新味のある脱出ゲームです。
 しかし、ゲーム面でもストーリー面でも、きれいにまとまっている反面こぢんまりした印象で、何度も繰り返しプレイしたくなるような魅力、ステージをクリアしたときのカタルシスには、やや欠けていると思われます。
 いくつかの大きな欠点はありますが、脱出ゲーム好き、アドベンチャーゲーム好き、謎が謎呼ぶストーリー好き、大食いヒロイン好き、ミニスカートの下に見えてる健康的なヒロインのふとももが上から羽織られたロングコートに隠れつつチラチラ見えるようなの好き、などにはオススメできますよ。

「ま、健康なのがウリだからね!
 そこ!! 死人のくせに健康!? とか言わない!!」(ズビシィィィッ!!)
「私は何も言ってない!!」(ズガシャァァァッ!!)




《追記》
 当日に書いておいて追記もないもんですが、上の感想本文中に書くべきかどうか迷い、結局このような形で書くことにしました。以下の内容はこのスタッフの以前の作品「逆転裁判」と比較しての感想であって、新作に対するフェアな感想とは言えないだろう、と考えたからです。

「逆転裁判」に比して、「ゴーストトリック」にはカタルシスがありません。

「逆転」も、自由度はほとんどありませんし、ゲームシステムの面ではなんら「ゴースト」と違うところはありません。古典的なコマンド総当たり式アドベンチャーの域から一歩も踏み出していないわけです。

 にもかかわらず「逆転」が面白かったのは、キャラの魅力などもさることながら、裁判シーンのカタルシスのおかげであったと思うのです。
「逆転」は、大きく捜査パートと裁判パートの二つにゲームが分かれていて、捜査パートや最初の裁判パートなどでは、なかなか真相に近づけず、敵(容疑者や検察官)にいいようにやりこめられるのが通例。その中で、徐々に手掛かりを集めながら、ジリジリと詰め寄っていくわけです。
 それが、最後の裁判パート、特にその中盤以降では一転。これまで集めてきた手掛かり、証拠が、「一つに繋がった!」と思った瞬間、音楽が激しく軽快なものに変わり、あの独特の効果音とともにギザギザ吹きだし拡大フォント画面シェイクを連発しながら、決定的な証拠を「ズビシィィィッ!!」「ズビシィィィッ!!」と叩きつけまくっていく。
 あとはサイバンカンの「判 決!!」に向けて怒濤のように突き進んでいくのです。

 この、ジリジリした捜査と、最後に全ての証拠が連鎖して一気に解決に向かう爽快感とのギャップが、「逆転」最大の魅力でした。(と、少なくとも俺は思っています)
 ま、爽快感を際だたせるためには、その前にどうしてもジリジリとした「溜め」の部分が必要になる、というわけです。

 そのあたりが、今回の「ゴーストトリック」は上手くなかったな、と思うわけです。もちろん全体を通じての謎が謎呼ぶ展開は、それなりに盛り上がりもあって良いのですが、事件の一つ一つ、ステージの一つ一つは、基本的にのっぺりした平坦なテンションで進んでいきます。
 仮にコレを2時間でまとまる映画にしたとしたら、かなりの傑作になったのではないかとも思えます。しかしこれはゲームであり、一日に1時間か2時間ずつ、ストーリーもちょっとずつ進めていくのが普通なのです。
 そこらあたりに、どうも「ゴースト」にハマりきれない原因があるのではないかな、と分析する今日この頃です。

 ま、俺は「逆転裁判」は初代しかやったことがないので、逆転裁判2以降がどうなのかは、全然知らないのですが。シリーズ通してのファンの方からみて見当外れのことを言っていると感じられた場合は、どうぞご容赦ください。