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2010年08月12日

 ■ [DS]ドラゴンクエストIX

タイトル:ドラゴンクエストIX 星空の守り人
メーカー:スクウェア・エニックス、レベルファイブ(開発)
ジャンル:RPG
発売日:2009年7月11日
ハード:DS
一周クリアまでのプレイ時間:約51時間
現在までのプレイ時間:約96時間

 ゲーム感想第14弾。この2本を連続して遊ぶというのも何の因果か。日本RPG界にそびえ立つ巨人、ドラゴンクエスト9です。
 まずは、例によって……

◆◇◆ 注 意 ◆◇◆
 ここから先にはストーリーやシステムに関するネタバレが含まれる可能性があります。充分にご注意ください。全く知識ゼロの状態を保ちたい方は、このエントリーの閲覧をお控えくださるのがよいかと思います。


《キャラクター作成》
 今回、パーティメンバーはDQ3以来の作成方式になっています。
 名前、職業、性別を選び、見た目を設定すればできあがり。主人公1人でずっと旅することもできますし、途中で新キャラを作ってメンバーを入れ替えることも可能。プレイヤーは、自分なりのキャラクターを想像し、そいつらを育てていくことになるわけです。

 キャラクターを育成するうえで、プレイヤーは多くの選択を迫られることになります。

 たとえば、職業の選択。
 今回は職業ごとの能力差が激しく、それぞれの特徴が顕著にでるようになりましたので、パーティ構成に悩まされることになります。その代わり、ノーリスクで転職できるようになりましたので(レベルは職業ごとに上げていくようになってます)、失敗を恐れずあれこれ試すこともできます。
 ダメージ源を誰にするか? 回復役を誰に任せるか? これまでDQでは影が薄かった壁役や補助役という役割も今回はありますので、そのへんも有効活用したいところ。
 なにより、役割分担がハッキリしていて完全に上位の職業が存在しないことも、選択の面白さを作りだしています。攻撃魔法は魔法使いが最強、回復魔法は僧侶が最強、賢者は両方できるけど中途半端。でもザオリクが使えるのは賢者だけ! とまあ、こんな感じで悩まされます。

 そして、武器の選択。
 全部で12種類+素手で、13通りの武器の選択があるのですが、それぞれに使える特技が決まっていて特徴があるため、どれを使うかでまた悩みます。
 オーソドックスな強さを求めるなら、やはり剣。しかしメタルスライム狩りには即死技を持つ槍が便利で、グループ攻撃のムチ、全体攻撃のブーメランも捨てがたい。魔法使いは魔力が高まる杖装備で決まりだが、若干攻撃力のある僧侶には、あえて棍を使わせてみるか……?
 しかし、さっきの職業選択も合わせて、適切な武器選択で思い通りの戦術を実現できたときの快感は、すばらしいものがあります。

 さらには、見た目の選択。
 アバター作り。
 そして着せ替え!
 説明は不要でしょう。アバター作りはまだ、キャラクターの性格を考えながら、ぴったりの外見を選んでいくだけですが(それでもずいぶん悩んだけど)、着せ替えはゲームシステムとの絡みもあるので実に大変。
 強さと効率で選ぶか!? 見た目の可愛さで選ぶか!?
 基本的に、エンディングまではこの、見た目と性能の相克にひっぱられて進んでいったような気がします。その時々で最強の装備を与えてみると、これがまた実にださい。そこで、多少性能を落としてでも可愛くかっこよく、と装備を選ぶのですが、やはり性能面でも高いものが欲しい。
 それがために、新しい土地についたらまず店をチェック。理想の装備はないかと探します。船を手にいれたらとりあえず世界中を巡り、各地のお店をチェック。
 それでもいい装備が見つからなければ自分で作ればいい! というわけで、錬金(いわゆるアイテム合成)の素材集めにストーリーそっちのけで夢中になるしまつ。
 着せ替えで遊んでいるうちに、気が付けばパーティはやたら強まっていて、中盤以降は、苦戦するはずのボス敵をあっさり蹴散らせるようになっていたり。
 上には、一周クリアまで51時間なんて書いてますが、たぶん普通に進めたら20時間くらいは縮まってたんじゃないかな……というくらい、着せ替えにははまっておりました。

 これらの選択をその都度やっていきながら、最終的な到達点目指してキャラを育てていく。パーティを自分のイメージする完成形に持って行けた時は、心底ほっとしましたし、その頃にはもうキャラに愛着も湧いているので、更なるクエストに挑む気も出てくる、という感じでした。

《ストーリーについて》
 今回もいつものDQらしく、短いエピソードを一つ一つ解決しているうちに、最終的な敵が姿を現す、という構成になっています。

 DQ9のストーリーのテーマは、おそらく「依存からの脱却」ではないかと思います。
 特に、「小児性からの脱却」を中心に話が進んでいるように思います。
 短いエピソードが全部で15個ほどあるのですが、そのうち「親の保護から子が独立する」タイプの話が実に7つ! さらに「大人の保護から子供が~」という話が1つあり、「神様の保護から人々~」という話が2つ。
 これだけで、全15エピソード中のなんと10個が、同じタイプの話であったということになります。(自分でも数えててびっくりだよ!)
 また、ある場所のメッセージ(最終的なボスに絡むエピソードで登場)には、こう記されています。
『人よ たよってはならない。
 自らが知らぬ者 知らぬチカラに』

 他には、凝り性というか職人肌というか、いわゆるオタク的な人物が酷い目にあうエピソードも目立ちます。そういう話は2つ(3つかも?)しかありませんが、どちらも破滅的なバッドエンドを迎えてしまうため、後味が悪くて印象に残るのです。
 一人は大切な人を失い、もう一人は大切な人を失ったうえに己の人生を失います。
 それらの悲劇は、他者を思いやることができず、自分の世界に閉じこもって視野を狭くした報いとして、描かれています。
 一方で、彼らが自分の得意分野に関しては非凡な才能を発揮しているあたり、まあまあ公平な描き方とは言えるでしょうが。

 どちらも、言いたいことは分かるけれども、しかし……?

 要するに、全編通して堀井おじいちゃんのお説教なのです。今の子供世代への。あるいは、ドラクエと共に大きくなってきた世代への。

 このお説教を受け入れられるかどうか、あるいは聞き流せるかどうかで、作品全体の評価も変わってしまいそうな気さえします。そりゃ、どんな面白い遊びだって、鬱陶しいお説教をくらいながらじゃつまらなく感じられちゃうよな。
 そんなんでも、1つ1つのエピソードは手堅くまとまっていますし、同じような話でもあれこれパターンを変えてバリエーションを付けているあたり、さすがに匠の技って感じはしますが。

《キャラクターについて》
 キャラクターについてっていうか、ウワサのガングロ妖精さんについてなんですけど。

 みんな、見た目だけで嫌ってないか? ちゃんとサンディの言動見てるか?

 たしかにあの見た目はちょっとないかな、とは思いますが、動きも発言もストーリー上の行動も、全てがちゃんと可愛い。健気で一生懸命、そして主人公とはいいコンビ。むしろ、あのナリでこれだけ可愛く見えるなんて、快挙といってもいいんじゃないかと思います。
 ウワサによると、サンディのキャラ造形は堀井雄二のなじみのキャバ嬢がモデルになっているとか。
 しかしそれは、作品の私物化というより、自分が萌えた実在の女の子のかわいさを、素直に作品に生かしたと見る方が正確ではないかと思うのです。というか、身近な女の子をモデルにするって、作品作りをする人みんながやってることだよね?

 まあそれでも、ほんとあの外見だけはないな、って思いますけどね、俺も。繰り返しになりますが。

 あと、友人の国東さんから「ダクさんは不良少女が実はかわいい、みたいなネタが好き」とか指摘されてしまったので、個人的な趣味で感想が偏っている可能性は大です。まじウケる!

《総評》
 「自分が作ったキャラクターを育てる」ことに重心を置き、従来のRPGと現代のRPGから要素をピックアップして手堅くまとめ上げた、安心して遊べるRPGです。
 これといって目新しい要素があるわけでも、飛び抜けて面白いゲーム性があるわけでもありませんが、全てがバランスよくまとまっていて、DSの手軽さも相まって遊びやすいので、ついつい尾をひいてしまう。そんな感覚が最初から最後までありました。
 RPG好き、ドラクエ好き、育成好き、アイテム合成好き、着せ替え好き、自キャラ妄想好き、すれ違い通信好き、「見た目ヤンキーな女の子が実は」好きなどにオススメです。

投稿者 darkcrow : 2010年08月12日 00:51

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